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京都市の「借地権」を相続する際の注意点

「借地権」とは、他人から借りている土地である「借地」の上に建物を建てる権利のことを言います。京都市の「借地権」を相続する際には、相続税が高くなる可能性があることに注意が必要です。また、そのほか一般的に注意すべきこともいくつかあります。「借地権」の相続を検討している方は参考にしてください。

京都市で借地権の相続税は高くなる可能性がある

京都市で借地権を相続するときには、相続税が高くなる可能性があるため注意が必要です。借地権の相続税評価額は、以下の計算式の通り、「土地評価額」と「借地権割合」によって決まります。

借地権の相続税評価額=土地評価額×借地権割合

京都市は、土地評価額も借地権割合も高い傾向にあるため、借地権の相続税評価額も高くなる可能性があるのです。

京都市の土地評価額と借地権割合が高い理由を、順番に説明します。

京都市の路線価

土地の評価額を決める際には、取引価格や公示価格、路線価、固定資産税評価額などの複数の指標を、場面や目的に応じて使いわけています。借地権の相続税評価額を求めるときには、「路線価」を使用することが一般的です。借地権の相続税評価額は、土地評価額と借地権割合を乗じて求めるため、路線価が高ければ相続税も高くなります。

国税庁の発表によると、京都市を含む京都府の路線価は、新型コロナウイルス感染拡大の影響があった2021年を除き、上昇傾向にあります。とくに繁華街の路線価の上昇は顕著で、2019年における四条通の路線価の上昇率は43.5%でした。2021年7月1日に発表された路線価では、新型コロナウイルスの影響で全国的に下落しましたが、住宅地への影響は繁華街と比較すると少ないようです。

京都市の路線価が全国平均よりも高いのは、日本の代表的な観光地であることが理由の一つとして考えられます。新型コロナウイルスの影響で外国人の観光客は減っていますが、緊急事態宣言が解除されればすぐに混雑がニュースになるほど、国内での人気も非常に高いです。そのほか、土地の取引が活発に行われていることなどが理由として挙げられますが、つまりは土地の需要よりも供給が少ないために京都市の路線価は高くなっていると言えます。

路線価が高ければ借地権の相続税評価額も高くなる可能性があるため注意してください。路線価と以下に説明する借地権割合を確認してから、借地権の相続を検討するようにしましょう。

京都市の借地権割合

借地権割合とは、ある土地の権利のうち借地が占める割合のことです。借地として借りている土地の権利は、土地を所有する地主が持っている底地と、借りている人に借地権がある借地に分けられます。借地権割合が50%の場合には、その土地の50%の権利を主張することが可能です。借地権の相続税評価額は、土地評価額と借地権割合によって決まるので、借地権割合が高ければ相続税が高くなる可能性があります。

京都市の借地権割合を見てみると、上京区・中京区・下京区などの繁華街は70%〜80%と非常に高くなっています。北区や山科区、伏見区、南区でも60%〜70%の高さです。全国ではほとんどの地域で30%程度が相場なので、京都市では路線価だけでなく借地権割合も全国平均より高くなっています。

京都市で借地権割合が高い理由は、路線価が高い理由と同じと考えてよいでしょう。利用価値が高ければ、借地権割合も高くなるからです。京都市は観光地として人気であり、土地の取引も活発で、ニーズも高いエリアとなっています。

借地権割合が高ければ、借地権の相続税評価額も高くなる可能性があるので、路線価と合わせてよく確認するようにしましょう。

借地権の相続における一般的な注意点

借地権を相続する際には、路線価と借地権割合のほかにも注意していただきたいことがあります。借地権の種類、相続時の手続き、借地権の転貸、借地の売却、地主の変更の5つの注意点についてまとめました。

借地権には種類がある

借地権は、種類によって用途や存続期間、契約方式などが異なります。相続の対象となる借地の借地権がどれに当てはまるのかチェックしてください。借地権の種類は、つぎの5つです。

普通借地権とは、契約の更新ができる借地権のことを言います。普通借地権の存続期間は、原則30年で、最初の更新後が20年、それ以降は10年です。当事者間でそれ以上の存続期間を定めることもできますが、短い存続期間を定めることはできません。また、存続期間が満了する前に建物が滅失してしまった場合であって、借地権者が残りの存続期間より長く存続する建物を新たに建てて地主から承諾を得た場合には、再建築した日か承諾を得た日のどちらか早い日から20年間が存続期間となります。なお、普通借地権の契約方式には制限がないため、必ずしも書面を交わす必要はありません。

定期借地権とは、定めた存続期間が経過することによって契約が終了する借地権のことを指します。一般的な存続期間は、50年以上です。公正証書等の書面で契約することが必要で、契約を更新したり延長したりすることはできません。契約終了後は建物を譲渡せず、更地にして地主に返還することが原則です。

定期借地権には、事業用定期借地権と建物譲渡特約付借地権という種類もあります。事業用定期借地権は、「専ら事業の用に供する建物」の所有を目的とする借地権のことです。一部でも居住用の土地が含まれる場合には、事業用定期借地権に該当しません。存続期間は10年以上50年未満。契約の更新や延長がなく、契約終了後は更地にして返還する点は、定期借地権と同じです。

建物譲渡特約付借地権とは、存続期間を30年以上と設定した上で、契約終了後に借地人の建物を地主に譲渡することによって借地権が消滅するという特約を付けた借地権のことです。契約方式に決まりはないため、口頭による契約であっても法的には成立します。

一時使用目的の借地権は、一時的な使用目的のために借りるときだけに契約できる借地権です。存続期間は、当事者間の自由に決めることができ、1年未満の短期間でも構いません。原則、契約の更新や延長はできません。

相続するための特別な手続きは必要なし

借地権に関しては、相続するための特別な手続きは必要ありません。借地権を相続した人が「借地権を取得した」ということを地主に通知するだけです。名義変更や更新に関する手続きも不要です。

しかし、借地権者が亡くなったことにより借地権を相続する場合には、念のため司法書士に相談することをオススメします。契約の内容によっては「借地権者が亡くなったときには、土地を更地にして返還する」といった特約が付されている可能性もあるためです。

なお、家屋を相続する場合には、所有権の名義変更をするための所有権登記の手続きが必要になります。この場合にも、司法書士に相談するようにしましょう。

地主の承諾なしに借地を貸すことはできない

借地権を相続した人が第三者に土地を貸す「借地権の転貸」の場合には、地主から承諾を得なければならないため注意が必要です。地主の承諾なしに第三者に借地を貸すと、土地の賃貸借契約違反として契約を解除されてしまうこともあります。借地権の転貸には、地主の承諾を得る際に承諾料の支払いが必要になることもあるのです。承諾料をいくらにするのかは、当事者間の話し合いで決めることになります。このように借地権の転貸には、地主とのやり取りが必要になるので、不安な方は不動産実務を把握している司法書士にすることも検討してみてください。

なお、家屋を第三者に貸すことは借地権の転貸に当たりませんので、地主の承諾や承諾料の支払いは不要です。

借地の売却にも地主の承諾が必要

借地権の転貸に加えて、借地権を相続した人が第三者に借地権を売却するときにも、地主の承諾が必要です。また、借地権をよりよい条件で売却するためには、底地と借地権をまとめて売った方が高く売れる可能性があります。こうした理由から、承諾なしに借地権を売却した場合には、地主とトラブルになってしまうことが考えられるでしょう。

売却を承諾されなかったときには、「賃借権譲渡許可」を裁判所に申し立てて許可が得られれば、地主の承諾なしに借地権を売却することが可能です。しかしながら、申し立て手続きにかかる費用や労力を踏まえると、借地権の売却を検討している方は、まずはきちんと地主と話し合うことをオススメします。

地主が変わったときの注意点

地主が変わったときに備えて行っておくべきことがあります。借地に建てた家屋の「所有権保存登記」を行っておくことです。借地権を相続したあと底地の地主が変わったときに、もし借地に建てた家屋の登記をしていなければ、新しい地主から立ち退きを迫られても対抗できないためです。

借地権とは、借地の上に建物を建てる権利のことなので、家屋が建っていれば立ち退かなくても構いません。しかし、「所有権保存登記」をしていなければ、家屋の所有権を第三者に主張できなくなります。そのため、地主とトラブルになり裁判などに発展した場合には、立ち退き要求に従わなければならないこともあるのです。借地権を法的に主張するためには、借地権がある借地の上に建物が建っていることと、その建物について「所有権保存登記」がしてあることの2つを備えておきましょう。

「所有権保存登記」の手続きは、司法書士の専門分野です。借地権を相続したときや借地の上の建物の名義を変更したときなどは、司法書士に相談して、借地権を確実に主張できるようにしておきましょう。

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